双極症(双極性障害)とは?躁とうつを繰り返す病気の基礎知識|北海道でオンライン受診できますか?
「気分の波が激しくて、自分でもコントロールできない」「元気すぎるときと、何もできないときが交互にくる」――そんな経験をお持ちではないでしょうか。双極症(双極性障害)は、うつ病と混同されやすく、正確な診断まで時間がかかることも少なくありません。この記事では、双極症の定義・症状・原因・治療法まで、受診を検討している方に向けてわかりやすくお伝えします。
「気分の波が激しくて、自分でもコントロールできない」「元気すぎるときと、何もできないときが交互にくる」――そんな経験をお持ちではないでしょうか。双極症(双極性障害)は、うつ病と混同されやすく、正確な診断まで時間がかかることも少なくありません。この記事では、双極症の定義・症状・原因・治療法まで、受診を検討している方に向けてわかりやすくお伝えします。
目次
「気分の浮き沈みが激しい」「やる気に満ちあふれていたと思ったら、急に何もできなくなってしまう」――このような気分の大きな波に悩まされていませんか?周囲から「波があるね」「テンションが読めない」と言われたことがある方もいるかもしれません。本人も「自分がおかしいのだろうか」「意志が弱いだけなのだろうか」と自分を責めてしまうことがあります。
このような状態が一定のパターンで繰り返される場合、双極症(双極症)という病気の可能性があります。双極症はうつ病と並ぶ代表的な気分障害のひとつですが、その特性や治療法はうつ病とは大きく異なります。正確な知識を持つことが、適切な治療への第一歩になります。
この記事では、双極症とはどのような病気なのか、どんな症状があるのか、なぜ発症するのか、どのように診断・治療されるのかについて、精神科専門医の監修のもと、わかりやすく解説します。受診を迷っている方にも、ぜひ最後まで読んでいただければと思います。
双極症(そうきょくしょう)は、かつて「躁うつ病」や「双極症」とも呼ばれていた病気で、気分が異常に高揚する「躁状態(そうじょうたい)」と、強く落ち込む「うつ状態」が繰り返し現れるのが大きな特徴です。2022年に改訂された診断基準ICD-11(国際疾病分類第11版)では「双極症」という名称が採用されており、日本精神神経学会もこの呼称を推奨しています。
双極症は、大きく双極I型と双極II型に分類されます。双極I型は、日常生活に重大な支障をきたすほどの強い躁状態(「躁エピソード」といいます)が少なくとも1回現れるタイプです。双極II型は、完全な躁状態よりも程度の軽い「軽躁状態(けいそうじょうたい)」とうつ状態を繰り返すタイプで、躁の症状が目立ちにくいため見逃されやすい特徴があります。
双極症の生涯有病率(一生のうちに発症する割合)は、双極I型・II型を合わせておよそ1〜2%と報告されています。日本では100万人以上が罹患していると推計されており、決して珍しい病気ではありません。発症のピークは10代後半から20代であることが多く、若い世代にも関わる病気です(出典:日本うつ病学会 双極症委員会「双極症治療ガイドライン」)。
双極症の大きな課題のひとつは、診断までに時間がかかりやすいという点です。躁状態のときは「調子がいい」と感じるため本人が医療機関を受診しにくく、うつ状態のときに受診してうつ病と診断されてしまうケースも少なくありません。日本における調査では、最初の症状から正しい診断を受けるまでに平均6年以上かかるとするデータもあり、早期の正確な診断と治療が強く求められています。
双極症の症状は、「躁状態(または軽躁状態)」と「うつ状態」の2種類に分けて理解することが大切です。それぞれの状態で現れる症状は大きく異なります。
躁状態では、気分が異常なほど高揚し、エネルギーが過剰に溢れ出るような状態になります。本人は「絶好調」に感じることが多いため、自分では気づきにくいことが特徴です。
双極I型の完全な躁エピソードは7日以上続くことが診断基準(DSM-5)上の目安とされており、入院治療が必要になるケースもあります。双極II型の軽躁状態は少なくとも4日以上続きますが、社会生活を著しく損なうほどではない点が異なります。
うつ状態の症状はうつ病のそれと似ていますが、双極症のうつ状態には独特の特徴もあります。
死にたい気持ちや消えてしまいたいという感覚が生じている場合は、一人で抱え込まず、できるだけ早く医療機関または相談窓口(よりそいホットライン:0120-279-338)にご連絡ください。
また、躁状態とうつ状態が混在する「混合状態」も存在します。気分は落ち込んでいるのにエネルギーだけが過剰で衝動的な行動が出やすいなど、対処が難しい状態であり、専門的な治療が必要です。
双極症の原因は、現時点では「これひとつが原因」とは断言できません。複数の要因が絡み合って発症すると考えられており、主に以下のような要素が関わっています。
双極症には遺伝的な素因が関与していることが多くの研究で示されています。双極症の方の一親等(親・兄弟・子)に同じ病気のある方がいる割合は一般人口に比べて高く、一卵性双生児での一致率はおよそ40〜70%とされています。ただし、遺伝によって「必ず発症する」というわけではなく、あくまで発症しやすい体質(脆弱性)のひとつと理解されています。
脳内の神経伝達物質(セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンなど)のバランスの乱れや、神経回路の調節異常が双極症の発症に関与していると考えられています。脳画像研究では、感情のコントロールに関わる部位の機能的な変化も報告されています。
強いストレス、睡眠の乱れ、生活リズムの崩れ、大きなライフイベント(就職・転居・失恋・喪失体験など)が発症や再発のきっかけになることがあります。また、睡眠不足や不規則な生活が躁状態を誘発しやすいことも知られています。
双極症は「性格の問題」でも「意志が弱いから」でもなく、脳の機能に関わる医学的な病気です。本人の努力不足が原因ではありませんので、自分を責めないでください。
双極症の診断は、精神科医や心療内科医による問診(丁寧な聞き取り)が中心になります。血液検査や画像検査で確定できる病気ではなく、症状の経過・パターン・生活への影響を詳しく聞き取ることで診断します。
診断の際には、国際的な診断基準であるDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)やICD-11が用いられます。DSM-5では、躁エピソードの持続期間・症状の数・日常生活への影響などが診断基準として定められています。
初診では、以下のような内容について確認されることが一般的です。
「躁状態のとき」を振り返るのが難しい場合は、気分の変動を日記やメモに記録しておくと、受診時に医師へ正確に伝えやすくなります。また、信頼できる家族や身近な方に同席してもらうことで、より正確な情報が得られることもあります。
うつ症状だけを訴えて受診した場合、過去の躁・軽躁状態について詳しく確認されないと、うつ病と誤診されてしまうことがあります。「気分が高揚した時期があった」「衝動的な行動をとったことがある」といった情報は、些細に思えても必ず医師に伝えるようにしましょう。
双極症の治療は、薬物療法と精神療法(心理社会的治療)を組み合わせるのが基本です。うつ病の治療とは異なる点も多く、専門医による適切な治療計画が重要です。
双極症の薬物療法では、気分の波を安定させる気分安定薬が治療の中心となります。代表的なものとして、炭酸リチウム(リチウム塩)、バルプロ酸、ラモトリギンなどが挙げられます。これらは躁状態・うつ状態の両方を予防・治療する効果が期待できます。
また、非定型抗精神病薬(気分安定作用を持つ薬)が単独または気分安定薬と組み合わせて使用されることもあります。躁状態が強い急性期には、興奮を和らげるための薬が短期的に用いられることもあります。
双極症のうつ状態に対して、うつ病治療薬(抗うつ薬)を単独で使用すると、躁転(うつ状態から躁状態に切り替わること)を誘発するリスクがあるとされています。自己判断で薬を増減・中止することは大変危険ですので、必ず医師の指示に従って服薬してください。
薬の種類・量は、症状の型・重症度・年齢・合併症などを総合的に判断して決められます。「どの薬が自分に合うか」は個人差があり、医師と相談しながら調整していくことが大切です。
薬物療法と並行して、精神療法や生活習慣の管理が治療の大きな柱になります。
再発予防のためには、規則正しい睡眠・生活リズムを維持することが特に重要とされています。また、自分の気分の変化(躁・うつのサイン)を記録する「気分日記」をつける習慣も、再発の早期発見に役立ちます。
| 治療の種類 | 主な目的 | 具体的な内容 |
|---|---|---|
| 気分安定薬 | 躁・うつの予防・治療 | 炭酸リチウム、バルプロ酸、ラモトリギンなど |
| 非定型抗精神病薬 | 気分安定・急性期の治療 | 医師の判断で使用 |
| 心理教育 | 病気の理解・再発予防 | グループまたは個別プログラム |
| 認知行動療法 | 思考・行動パターンの改善 | 専門家との面接形式 |
| 生活リズムの管理 | 再発予防・気分の安定 | 睡眠・食事・運動の規則化 |
「精神科を受診したいけれど、近くにクリニックがない」「仕事や育児が忙しくて通院が難しい」「まず気軽に相談してみたい」――北海道にお住まいの方からは、こうした声をよくいただきます。北海道は全国でも医療機関の偏在が大きく、特に精神科・心療内科は都市部に集中している現状があります。
北海道オンラインクリニック(医療法人鳳應会)では、スマートフォンやパソコンを使ったオンライン診療を提供しています。北海道内にお住まいであれば、札幌市内の方はもちろん、道内各地からご利用いただけます。
双極症が疑われる場合、正確な診断のためには丁寧な問診が不可欠です。オンライン診療でも、症状の経過や生活状況について十分にお話を聞くことができます。「まだ病気かどうかわからない」という段階でのご相談も歓迎しています。
なお、症状の重症度や状態によっては、入院設備のある医療機関や対面診療が必要な場合もあります。オンライン診療の適否については、初回のご相談の中で丁寧にご説明しますので、まずはお気軽にご連絡ください。
「自分は双極症かもしれない」と感じながらも、受診をためらっている方は少なくありません。「大げさかな」「忙しくて時間が取れない」「精神科に行くことへの抵抗がある」――そういった気持ちはとても自然なことです。
ただ、双極症は早期に正確な診断を受けて適切な治療を始めることが、その後の経過に大きく影響するとわかっています。躁状態のときの衝動的な行動(大きな買い物・借金・対人トラブルなど)や、うつ状態の長期化による社会生活の困難は、適切な治療によってコントロールできる可能性があります。一人で抱え込まず、まず専門家に相談してほしいのです。
また、「受診したら何か重いレッテルを貼られてしまうのでは」と不安に感じる方もいるかもしれません。診断はあなたを縛るものではなく、あなたの苦しさに名前をつけ、適切なサポートにつなげるための手段です。診断名がついたからといって、人生の選択肢が狭まるわけではありません。
気分の大きな波に悩んできた時間が長いほど、「これが普通なのかもしれない」と感じてしまうことがあります。でも、その波がこれほどつらいのであれば、それは一度専門家に相談するに値する悩みです。一人で悩み続けないでください。
北海道オンラインクリニック(医療法人鳳應会)では、統括医師・道塚瞬が 日本専門医機構認定 精神科専門医および 厚生労働省 精神保健指定医の両資格を有しており、 初診から必ず専門医が担当します。
「近くに専門医がいない」「通院が大変」「プライバシーが心配」という 北海道全域の方々に、自宅から質の高い精神科医療をお届けするために、 オンライン遠隔診療を提供しています。